Saturday, September 25, 2010

。(市川雄輝、大畑滋生)

人件費にはほとんど手をつけず、施設管理などの販売管理費に大なたをふるった。販管費は前年同期の約4分の1にあたる6億円以上を削り、19億8千万円に抑えた。HTBを傘下におさめる前に、園内の施設の価値を見直すことで毎年かかる減価償却費を圧縮したのが効いた。

 取引先も、必ずしも地元企業を優先せずに契約を見直して節約。多額の借金を放棄してもらって返済負担も軽くなった。

 これに、佐世保市から受け取る2億2千万円(4~6月)が加わる。固定資産税などの相当分を再生支援の交付金として受け取るものだ。過去のつけをはらってから再建に乗りだし、その後は細かに積み重ねる手法だ。

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 入場料を安くして客を集め、長い時間を過ごしてもらって飲食やイベントで稼ぐ――。HTBはコスト削減の先を、こう見据える。

 入場客1人あたりの売上高は、4~6月期に7300円と前年同期比で約1200円減った。入場料の値下げや、夕方以降の割引チケットの導入、場内の飲食代を値下げした影響だ。

 沢田秀雄社長(HIS会長)は「極端に言えば入場料はただでいい。多くの人が滞留する観光都市を目指す」と説明。まずは来てもらうことを優先する考えが鮮明だ。

 HISグループや出資企業も格安ツアーで支える。HIS系の九州産交ツーリズム(熊本市)の商品は、熊本発日帰りバス代込みで4980円から。1億円出資するJR九州は、博多発の往復切符がついて5000円の割引切符を売る。いずれも正規の往復運賃より安い設定だ。

 雨が少なかった夏休み期間の入場客は前年より4割増え、まずは集客増に成功した。お金を使ってもらえるイベントや物販の成否が今後のかぎをにぎる

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